お肌の糖化とは?その原因と仕組みについて
糖化ってなに?
糖化とは、体内のたんぱく質が余った糖と結びつくことで糖化最終生成物(AGEs)と呼ばれる物質が生成されることです。老化を促す現象として、酸化と並んで注目されてきていますね。糖化したたんぱく質は褐色に変色するほか、それ自体が変性して劣化してしまうため、様々なトラブルを引き起こします。
たんぱく質は体内のあらゆるところに存在しますが、皮膚の構成成分の70%を占めるコラーゲンもたんぱく質であることを考えると、肌に糖化の影響が出やすいのは明白ですね。日焼けもしていないのに加齢と共に肌の白さや透明感が失われ、褐色になってくるのも糖化による現象の1つです。さらにハリや弾力がなくなること、またそれに伴ってシワが増えることにも糖化が大きく関わっていることが近年の抗加齢研究でわかってきています。
アンチエイジングのために必要なこととして、これまで叫ばれてきた酸化対策以上に、これからは糖化対策についても考えなければならないようです。
肌の糖化を招く食生活
私たちができる糖化対策としてまず手をつけやすいのは、食生活の見直しです。糖化は体内で使われなかった糖がたんぱく質と結びつくことで起こるということを考えると、糖の摂りすぎがよくないことは明らかです。そして血糖値が高いということは血中に糖分が余っているということですので、高血糖にならないように注意することも重要です。
そもそも現代の食生活ではビタミンやミネラルが不足しやすく、糖質や脂質過多になってしまう傾向にあり、多くの人がつねに糖化の危険性にさらされている状態と言えます。糖化は、
- 糖質の摂りすぎ
- AGE値が高い食品の食べすぎ
- 血糖値を急上昇させる食べ方
主にこの3によって急激に進行します。例えば、ステーキや唐揚げなどを大量の白米と一緒に毎日のように食べ、毎晩必ずグラニュー糖をたっぷり使って作られた甘いデザートをとるのを楽しみにしている、といった人は要注意です。
糖化を防ぐ食事の摂り方
AGE値は調理のしかたによっても変わりますし、また血糖値の上昇に関わるGI値は食べ方によって変化します。つまり糖化を防ぐためには、食材だけでなくどうやって調理されたものをどういう風に食べるかも重要だということです。逆に考えれば、特定の食材を食べないようにするのではなく、調理法や食べる順番やタイミングに注意すればよいということでもあります。
例えばステーキや唐揚げ、フライドポテトなどはAGE値の高い食品の代表としてよく挙げられますが、これは高温で急激に調理されていることによってAGE値が高くなっています。同じ食材でも低温でじわじわと加熱するものであれば問題ありません。
また、GI値を下げるため、つまり糖の吸収をゆるやかにするために必要と言われているのが、
- 早食いやドカ食いをしないこと
- 食後のデザートを控えること
- そして野菜から食べること
などですね。例えば白米はGI値が高い食品ですが、先に野菜サラダを食べ、お味噌汁を飲み、ゴボウの煮つけを食べた後で、白米をゆっくり食べるというようにすれば、糖の吸収率はぐんと下がります。
こういったことをすべて考慮すると、まとめて1度にドカ食いできず、野菜から食べられてゆっくり加熱される鍋料理は糖化防止に非常によいことがわかります。小料理屋へ行って鍋を注文すると、最後に白米とお味噌汁とお漬け物が出て来るというのは、アンチエイジングの理にかなっていたんですね。